Tac-Tex-Tile with Sounds

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Tac-Tex-Tile with Sounds
Ken Kikuchi + Haruna Totsuka

様々な事物のテクスチャは、触感(触覚)、イメージ(視覚)、音(聴覚)の3 種類の情報を持っています。人はテクスチャのイメージからテクスチャの触感を想起することができますが、テクスチャの音からも少なからずテクスチャの触感を想起することはできます。本研究では、人が触覚を誘発され、触感を想起できる音を触感音と名づけました。触感音の特性と触感による判断の方法に着目し、ユーザにより適確な触感情報を与える方法としてテクスチャイメージに触感音を付与して提示しました。

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 例えば、目前にふかふかのクッションがあります。人はそのクッションに実際に触れることができます。しかし、遠く離れた人は、このクッションの触感をどのように体験すれば良いのでしょうか。
テクスチャとは、素材の外部的効果を指しており、触感( 触覚)、イメージ( 視覚)、音( 聴覚) の3 種類の情報を有しています。そして人はテクスチャの3 種の情報を結びつけて記憶しています。そのため、テクスチャイメージからその触感を想起することができます。同様に、テクスチャの音情報からもテクスチャの触感を想起することができます。このように触覚を誘発され、触感を想起する音を触感音と言います。触感音には、指などでテクスチャを擦った音、叩いた音などの接触音や、ホワイトノイズのようなテクスチャに直接関係はありませんが、触感を想像するような人工音もあります。
 また、テクスチャの触感を表現する単語も多くありますが、主に「凸凹か平面か」、「硬いか軟らかいか」、「温かいか冷たいか」、「乾いているか湿っているか」の4 種類のそれぞれいずれか、もしくは複数の組み合わせを表現する単語により表現することができます。例えば、「ざらざらしている」と「でこぼこしている」はテクスチャの凸凹の差による表現の違いであり、どちらも凸凹に分類されます。テクスチャの触感については、この4 種類の組み合わせで構成された16 分類に大別できます。触感音には、その触感を示す何らかの特性があり、16 分類の触感を想起する平均的なステロタイプがあると考えられます。
 本研究では、実際の触感を得ることができない状況において、より的確なテクスチャ情報を提示する方法として触感音を用いました。12 種のテクスチャサンプルを用いて、テクスチャのイメージタイルを作成し、各サンプルのタイル片ごとに関連する触感音を作成しました。また、テクスチャサンプルを指で擦った音と叩いた音の2 種類を用意しました。そして、ユーザがイメージタイルに触れ、あるいは触感音を聴き、16 分類の触感を想起できるかを試みました。

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菊池 健 Ken Kikuchi
1983 年 千葉県生まれ
早稲田大学第一文学部心理学専修卒業、認知心理学、感性を考慮したデザイン研究に取り組む。早稲田大学国際情報通信研究科修士課程

戸塚 はる奈 Haruna Totsuka
1980 年 東京都生まれ
東京造形大学絵画科卒業、視覚的表現や色彩と感性の関係について研究。早稲田大学国際情報通信研究科修士課程修了