GEO BLOCK

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GEO BLOCK
Kaname Takenouchi + Kumi Sato + Zhen Song + Jørgen Hatløy

今日、世界は様々な問題を抱えています。少子化、一方では人口爆発、温暖化、新型インフルエンザなどの新たな疫病の流行など、人類を取り巻く状況は厳しい様相を呈しています。私たちは、このように多くの問題を抱える未来について「GEO BLOCK」を提案しています。国や地域、土地への執着や呪縛から解放され、個人単位で能動的に移動し、自由に共同体を構成し、複合化していく社会は、地図の上でブロックを次々と組み変えていくような世界です。これは、人と人、人と環境というような共生への意識が高まる未来社会へのひとつの示唆になるでしょう。

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 あなたは、未来の世界について想像することが出来ますか。例えば、100 年というスパンで世界を見ると、あるいは日本に関して言えば、100 年前に山手線が開通しました。そして100 年後には、海面上昇により日本のすべての砂浜が失われると予想されています。このように、温暖化により様々な環境が変質してしまう未来では、現在のように国や地域、土地に執着し、縛られた居住方法とは異なったスタイルが生まれるかもしれません。また、先進国の多くでは少子化の進行により家族の構成や形態が変わり、世帯ではなくて個人をひとつの単位とするような社会に変わるかもしれません。「GEOBLOCK」は、個人が生活空間ごと世界のいずれの地にでも好きなように移動し、社会を築いていく未来の世界についてのビジョンです。個人が自在に移動し、コミュニティを形成し、さらには消えていく様は、ひとつの菌が繁殖して子実体を作るキノコのような在り方にも似ていて、人類や個人の共生についての新しい概念を投げ掛けています。移動するのは個人だけに留まりません。公園や建物など、今日土地に定着している建造物も同様に、コミュニティが形成されれば、取り巻くように、セル・オートマトンにも似て、商店が集えば商店街が自ずと形成されるでしょう。人種や国境、国籍というような概念も薄れ、日本人で日本に住み、日本語を話す田中さんが、100 年後のこの世界では日本人で南極に住み、ピジン語を話しているかもしれません。個性を示すモノと多様性を示すポリの概念がうまく協調して複雑に混じり合いながら形成される社会の姿がここにあります。
 LEGO を用いて「GEO BLOCK」を作成しました。自由にBLOCKを手に取って移動させて組み替えて下さい。そして、今日の世界について、そして未来について考えてみて下さい。

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竹之内 要人Kaname Takenouchi
東京工芸大学工学部建築学科・早稲田大学芸術学校卒業、広告代理店勤務を経て 、国際情報通信研究科修士課程

佐藤 公美Kumi Sato
早稲田大学第二文学部 表現・芸術系専修卒業、国際情報通信研究科修士課程

宋 臻Zhen Song
同済大学アニメーション学科卒業、国際情報通信研究科修士課程

ヨルゲン・ハットロイJørgen Hatløy
ベルゲン大学文化人類学科卒業、国際情報通信研究科修士課程