Porf. Do-sung Chung

ASIAN ART & DESIGN NOW 2008

WASEDA ART FORUM 今日のアジアのアートとデザイン

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講師紹介 Speakers Profile

Chung.tif 
 
Do-sung Chung 鄭 道成
Professor , Dean of College of Design, Kookmin University, Korea
韓国・国民大学校造形大学学長、UITデザイン教育院院長
 
1957年日本東京生まれ。1973年韓国に入国後に国民大学校産業美術学科、日本東海大学大学院を経て東西大学にて博士学位取得。1983年から1988年まで豊口デザイン研究所及び(株)FDMにて 6年間のデザイン活動を経て、1988年から韓国蔚山大学校、韓国国立技術教育大学校にて製品デザイン分野を担当、1995年から国民大学校工業デザイン学科教授として在職。役職として2005年から2008年まで国民大学造形学部長、2006年から現在までUITデザイン教育院の院長を務めている。その他、韓国デザイン学会副会長(2005年~2007年)、韓国産業デザイン協会副会長(2008~)等の任にある。
現在、関心を持っている研究課題はエルゴノミクス,認知心理学など、これらのデザインの周辺の研究分野とデザインを連係し、新たなデザインの可能性を模索する事にある。
 
 
21世紀における革新キーワード : デジタルデザインのモジュール化
 
はじめに
 2002年の日本・韓国共同開催のワールドカップが終了して早くも6年という年月が過ぎ、旧弊な「1965年体制」の両国関係に代わる新たな「2002年体制」の到来を期待した人も多く、現に両国の人々は2002年から様々な形でこれらの兆しを経験してきている。これらの関わりは日常の生活文化や公式の文化交流などを通じて活発に行われている。この様な状況において、デザイン分野では一体何が変わったのであろうか。ワールドカップで熱く燃え上がった両国の熱気を今後のデザイン分野における連係にどの様な形で発展させられるであろうか。両国の相互認識においてさらに積極的な活動が必要な時期であろう。偶然と必然のどちらかの結果であろうが、文明の痕跡は古代中国に発し中東、ローマ、イタリア、スペイン、フランス、イギリスそしてアメリカと西に西に向かった。この進行は二十世紀後半から今日まで日本を中心とした東アジアにその重要性は集中している。さらに新世紀に入り、これらの地域での文明変動の速度とその量は過去のいずれの時代のどの地域の変化と比する事が出来ないほどに活発かつ劇的な様相にある。あらゆる分野で文化変動の中心地域として世界の耳目をひいている現状を重く感じなければならない。この様な状況下において近年デザイン分野で起きている国際化への関心は他の分野と比較した場合、むしろ大変遅れをとっているように捉えられる。 したがって今後、東アジア地域での展開すべき新たなデザインの方法論の一つの可能性としてデジタル・デザイン・モジュールを提起したい。これらの新たな構想が成立する事により世界に通用する東アジアの新たなデザインにより、一層の東アジアでの活発なデザイン交流が高まることを願い、まず日本と韓国との関わりについての方法論を提起しながら、その交流の一端を担当する韓国のデジタルデザインの現状を教育と産業の両面から現状を報告したい。そして、教育的観点として韓国教育人的資源部(日本の文部科学省に相当)の特性化事業の状況を中心に人材育成方法などの状況を整理し、続いて産業的観点から産学共同研究の現状について報告する。
 
1. 韓国のデジタルデザイン教育の現状
 
2. BK(Brain Korea)21事業 (大学院)
 2-1. 事業内容
  ・事業の目的
  ・現在の状況
  ・構築の方法
 2-2. 国民大学校テクノデザイン専門大学院
  ・専攻別成果(作品)
  ・年単位の予算規模
 
3. 特性化事業 (大学部分) 
 3-1. 事業内容
  ・事業の目的
  ・現在の状況
 3-2.  国民大学校 UIT デザイン教育事業団 
  ・UIT デザイン教育開発院構造
  ・年単位予算規模
  ・UIT デザイン教育開発院の成果
 
4. 日韓の文化的差違に沿った連係
 
5. 今後の課題
互いに異なる地に在る日本と韓国。しかし、両国に共通する多くの文化や思考は、それぞれの自然観・技術観・人間観に潜在する力によって、いつしか互いを引き寄せる事になろう。この異文化間の架け橋となるテーマがデザインである事を願う。いま、デジタルデザインやコンテンツの開発は東アジア各国の重要政策として、人材・技術・情報・交流・法整備に力が注がれている。今は東アジアデザインビジネスの開花期なのである。このような状況において、より互いを理解し合うために以下に注目したい。
 
1)それぞれの文化の固有の特性についての認識と関心を基に、互いを理解する東アジア文化理念の構築。
 
2)政治、経済的における統合努力より市民が中心となった文化融合の率先。
 
3)競争的関係から文化的、人間中心的な関係への発展。